おばあちゃんの知恵 役立つ暮らしの辞典

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春の恵みを活かす健康食品レシピ

 春の訪れとともに、自然が豊かな恵みをもたらします。3月と4月は、自宅で手軽に作れる健康食品を楽しむ絶好の時期です。旬の食材が豊富に登場し、新たな可能性を秘めた素晴らしいレシピが待っています。春の訪れを感じさせる爽やかな食品から、体を活性化させる栄養たっぷりのメニューまで、季節の恵みを最大限に生かした自家製の健康食品が食卓を華やかに彩ります。心も体も喜ぶ食品作りの楽しみを共有し、春の訪れを味わいましょう。

草餅

よもぎの草餅

3月 よもぎは万病をふせぐとされ餅の酸も中和する薬草

 よもぎは塩湯でゆで、30分ほど水にさらしてあくを抜き、細かく刻んでおきます。白玉粉大さじ2は1/4カップのぬるま湯でよく溶かし、砂糖大さじ2、上新粉1カップ、塩少々、湯1/2カップを加えて耳たぶくらいの柔らかさにし、適当な大きさにちぎって蒸します。熱いうちによもぎを混ぜ、好みの数にちぎり、平らにのばしてこしあんをのせ、包みます。

 

ふきのとう

ふきのとう

3月 特有のにおいと苦みはこの季節にはとりわけおいしい

 ふきのとうをゆで、水にさらしてあくを抜き、細かく刻んでごま油で炒め、しょうゆ、酒、みりんで汁気がなくなるまで煮つめた佃煮は、保存もきき、毎日少しずつ楽しめます。

 てんぷらや汁物の吸い口としてもおいしく、焼いてから田楽みそにつけるのも自然の風味が生きた味わいです。

 

つくし

つくし

3月 愛らしい姿をそのまま素朴に味わいたいもの

 しょうゆ、酒、みりんを合わせた煮汁で手早くつくしを煮て、ごはんに混ぜ合わせたり、だし汁に酒、砂糖、しょうゆ、サラダ油各少々を入れて煮たて、つくしをさっと煮含めるのもオツな味です。

 

甘酒

麹菌のジアスターゼがまろやかな甘みを作る

 もち米(1カップ)は30分から1時間水にひたしておき、4割増しの水で炊き、木べらで混ぜて70~80度にさまします。米麴(700グラム)は細かくほぐし、2~3回に分けて、もち米ご飯の中にふり入れて混ぜます。さめないうちに炊飯器に移して一昼夜保温、発酵させます。冬ならこたつに。とろりとして甘みが出たら鍋に移し、一度火を入れて発酵を止めれば、酸っぱくなりません。濃いときは水で薄めます。

 

ふきの青煮

ふきの青煮

4月 ほろ苦い香りと鮮やかな緑の、春ならではの煮もの

 板ずりしたふきをゆで、水にとって皮をむき、さらに水にさらしてあくを抜きます。だしと調味料(みりん、塩、砂糖、しょうゆ)を煮たて、2~3分煮たら火を止め、そのまま冷まして味を含みます。

 

ふきの葉のつくだ煮

とれたてのふきの葉

4月 ふきの葉はつくだ煮に利用したい。あく抜きを充分に

 ふきの葉を塩水でゆで、1~2日水にさらしてから細かく刻み、水気をきります。しょうゆ、酒、みりんまたは砂糖で煮つけ、弱火にしてパラパラになるまで入り煮にします。じゃこを加え、油でいためてから煮ても。

 

ふきの砂糖煮

ふきの砂糖煮

4月 歯ざわりのよさが身上 軽い甘みがお茶うけに最適

 ふきの青煮同様にふき(200グラム)を色よくゆで、3~4センチの長さに切っておきます。鍋に水(1カップ)と砂糖(100グラム前後)を煮溶かしてふきを入れ、落としぶたをして弱火で煮込みます。いったんふきをひき上げ、煮汁に砂糖(100グラム前後)を加えて煮溶かし、ふきをもどして再び落としぶたをして弱火で煮つづけます。煮汁が煮つまってきたらふきを取り出して汁気をとり、グラニュー糖をまぶしつけます。

 

いちごの保存食

砂糖に漬けたいちご



 ビタミンCの含有量はレモン以上。生で食べるのが最高ですが、たくさん手に入ったときには、保存食も楽しいものです。

いちごシロップ

 いちご(1キロ)に砂糖(750グラム)をまぶし5~6時間おいてから水(1/2カップ)を加え強火で20分ほど煮ます。クエン酸(10グラム)を加え、ひと混ぜして火を止めます。1年は保存できますが、途中でいちごはとり出します。

いちごジャム

  形が残る、プリザータイプ。いちご(500グラム)に砂糖(200~300グラム)をまぶし、一晩おきます。翌日、鍋に移して中火にかけけ、あくをとりながら10分、レモンのしぼり汁を加え、ときどき鍋をゆすりながら、10分ほど煮ます。

 

まとめ

 自然の恵みを味わい、健康をサポートする手作り健康食品は、季節ごとの魅力を表現する素晴らしい方法です。旬の食材を活かしたレシピを通じて、寒い冬の終わりから、春の訪れを感じる季節まで、自家製の栄養満点な食品で食卓を彩りましょう。季節の恵みを受け取りながら、体と心の健康を大切にする食品作りの楽しみを共有しましょう。