おばあちゃんの知恵 役立つ暮らしの辞典

昔から語り継がれる暮らしの知恵を発信

おばあちゃん直伝!民間家庭療法【消化器編】

 消化器の不調は日常生活に大きな影響を与えることがあります。食べ物の消化がうまくいかないと、下痢や便秘、そして胃もたれなどが起こりやすくなります。幸いにも、古くから伝わる民間療法には、このような問題に対処する助けとなる方法がたくさんあります。おばあちゃんたちから受け継がれてきた知恵や自然療法を通じて、私たちは快適な消化器機能を取り戻す手助けをすることができます。食事の工夫や特定の食品、さらにはストレス管理や適切な休息など、自然な方法で健康な消化をサポートすることができます。気軽に試してみて、自分に最適な解決策を見つけることが大切です。

 

 

下痢と腹痛

青梅の汁を煮つめた梅肉エキスは下痢止めの決定版

 食べすぎ、飲みすぎておなかが痛くなったり、下痢や吐き気の症状が現れたときは、梅肉エキスがぴったり。かなりひどい下痢でも、日に3~4回少量をなめるだけで治るという、きわめつけの民間薬です。梅肉エキスは、自然食品店や漢方薬局に在りますが、自分で作る場合は、青梅を使います。
 青梅を生のまますりおろすか、ミキサーにかけてくだき、そのしぼり汁をとろ火で煮つめます。粘りが出て、色が黒っぽくなってきたら火を止め、さまして瓶などに保存しておきます。
 一回の量はあずき粒くらい。橋の先につけて御湯に溶かし、蜂蜜を加えると飲みやすくなります。

青梅

 

便がゆるい程度ならにら雑炊や生トマトでなおることがある

 下痢とまでいかなくても、便がいつもよりゆるくて、おなかが心配というときは、整腸作用のあるにらとトマトを食べてみましょう。消化の良い食事の中にうまく取り入れることがポイントになります。にらは消化しにくいのでごく小さく切り、スープやみそ汁に入れたり、おかゆや雑炊に炊き込んで。
 トマトは皮をむいて生のまま食べるのが効果的。トマトジュースは二日酔いに効くといわれますが、これはトマトの成分に胃腸の働きを調整する作用があるためです。

トマト 生のまま食べるのが効果的

ニラ玉スープ

 

吐き気

桜の生の葉を刻んで煎じ、1日2~4回飲む

 はっきりした原因もないのに何となく胃がむかついて吐きそうになったり、子供なら実際に日に何度も吐いてしまう。こんな発作がある人は、桜の葉の煎じ汁で吐き気を抑えましょう。1日分として、桜の生の葉を5枚、細かく刻んで300㏄の水を加え、半量まで煮つめて、これを1日2~4回に分けて飲みます。しばらく続けると次第に吐き気を感じなくなります。

葉桜

 

下痢にも便秘にも

ゲンノショウコの煎じ汁を気長に飲み続けて完治

 薬草として有名なゲンノショウコは、煎じ薬を作っておくと、飲み方で下痢止めにも便秘薬にもなります。
 ゲンノショウコは生なら100~150g(乾燥品なら20~30グラム)を700㏄の水に入れ、半量に煎じます。これが1日分で、下痢の場合は熱くして、1日3回、食事と食事の間に飲みます。便秘を治すには、この煎じ汁を冷まして飲みます。いずれの場合も、数日続けて完治することが大切です。

 

 

胸やけ

胃散過多の症状をやわらげる大根おろしととろろこんぶ

 胃散が多い体質の人は、いつも胃や胸のあたりがすっきりしません。こういう人は、毎食欠かさず大根おろしをたっぷりととりましょう。これにとろろこんぶを入れてかむようにして食べるという方法も伝えられています。

万能の大根のしぼり汁

 

胃もたれ・胃の痛み

たんぽぽは天然の健胃剤。葉も根もいろいろに利用

 野草には、畑で栽培される野菜にはない成分が大量に含まれています。なかでもたんぽぽは昔から胃を丈夫にする草として人々に親しまれてきました。

 胃がもたれる、食欲がない、胃がしょっちゅう痛むといった、慢性胃炎の症状に悩まされている人にうってつけ。

 たんぽぽの葉はおひたしや胡麻あえにして毎日の食卓にのせ、根は煎じ薬やたんぽぽコーヒーにして服用します。

 煎じ薬は、根が生なら6グラム、乾燥品なら2グラムを200㏄の水で半量に煮つめ、3回に分けて1日で飲みます。たんぽぽコーヒーは、洗った根を刻んで天日で乾かし、紅茶のように、茶こしに入れて熱湯を注いで飲みます。

昔から胃を丈夫にする草として知られている

 

便秘

ゆでたこんにゃくでおなかを暖め、自然な便通を

 便秘薬や浣腸は、常用すると逆に腸のぜん動運動が抑えられて便秘の傾向が強まります。副作用がなく、自然な便通をつけるのは、民間医療の得意とするところ。便秘で苦しいときには、こんにゃくの温湿布を試みてください。

 ゆでたこんにゃくを手ぬぐいに包んでおなかに当てるだけ。こんにゃくの熱でゆっくりとおなかが温められ、腸の動きが活発になって、便秘が解消されます。こんにゃくは中の方まで温めるのがコツですが、表面の温度はやけどしない程度に抑えます。

 

便を軟らかくするツルムラサキの葉を生で食べる

 便秘に野菜といわれるのは、野菜の繊維が便の量をふやし、自然に規則正しいお通じを促すからです。

 特にツルムラサキは、繊維だけでなく、ほかにも便を軟らかくして腸の働きを整える成分が含まれるといわれ、近ごろその薬効が見直されています。しかも、柔らかくて、においも少なく、自然の甘みがあるので、野菜ぎらいの人にも抵抗がありません。生のまま、塩やマヨネーズで食べるか、みそ汁の具、おひたし、てんぷらなどに利用しましょう。

ムラサキツユクサの花

 

水あめ、蜂蜜、プラムは便を軟らかくする

 お通じの回数が少なくなると、便は腸の中に長くとどまっているために水分が失われ、固くなってしまいます。固くなると腸内を移動しにくく、これではまるで悪循環。

 おばあちゃんは、便秘で苦しむ子によく水あめ(麦芽糖)をなめさせてあげます。水あめは水分を保つ働きが強いので便が固くなるのを防いでくれることを、おばあちゃんは体験から知っているのでしょう。蜂蜜にも同じ働きがあります。プラム(生でも乾燥品でもよい)をミキサーでつぶし、牛乳と混ぜて水あめか蜂蜜を加えると、ほどよい甘みと酸味のあるおいしい飲みものができます。プラムのように酸味の強い果物は便秘には効果的。

蜂蜜にも便秘に効く作用がある

 

まとめ

消化器系の不調や症状に対処するためのおばあちゃん直伝の民間家庭療法を紹介しました。下痢や腹痛、吐き気、胸やけ、胃もたれ、そして便秘といった日常的な不快症状に対する、おばあちゃんたちが受け継いできた知恵やアドバイスを紹介しました。

 消化器系の不調は、私たちの日常生活に頻繁に影響を与えますが、おばあちゃんたちの伝統的な治療法やケア方法は効果的です。例えば、特定の食事や飲み物、野菜、調理法の工夫、さらにはストレスを軽減するためのリラックス法など、おばあちゃんたちの知恵袋には宝物がたくさん詰まっています。

 現代医学の進歩は素晴らしいですが、時には自然な方法や伝統的な家庭療法を取り入れることで、消化器系の不調を和らげることができます。このブログを通じて、おばあちゃんたちの知恵と経験を活用し、健康的で快適な消化器系を維持するための新たなアプローチを見つけていただけたら幸いです。

 私たちの身近にある伝統的なケアの大切さを再確認し、おばあちゃんの知恵を大切にして、健やかな日々を送れるよう願っています。

 

 

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