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食文化を彩る日本の格言とことわざ 3

 四季の移り変わりに寄り添いながら、日本の叡智が詰まった言葉たち。季節ごとに移ろう食材の豊かさと、その恵みを称えた言い伝えが、心に温かな足跡を残します。この記事では、「食文化彩る日本の格言とことわざ3」と題し、日本の古来から受け継がれてきた、食と季節を繋ぐ言葉たちに焦点を当ててみたいと思います。食材の持つ力と、それを讃える言葉の奥深さを、一緒に探求していきましょう。

 

食べ物がうまいと天気がよい

 天気がよいときは、湿度が下がり気分がよくなるのでおいしく食べものが食べられる。また、天気のよい日は、屋外に出たり、運動をする機会が多くなり、そのために食欲がすすみ食べ物がおいしく感じられるのでこのようなことがいわれる。

 

 

鱈汁と雪道は後がよい

 たらは雪の降る1月から2月が旬で、肉はあっさりしているが、身がしまっているので、よく煮るほどだし汁がしみこんでおいしくなるので、こういわれる。また、雪道も雪が降ったばかりのころは歩きにくいが、時間がたつと多くの人が歩き、踏み固められて歩きやすくなるので、後のほうがよいというのである。

寒い冬には鱈の鍋

 

天麩羅油に梅干し

 天ぷら用の油は何回か使うと疲れて、油の分子が分解してできる粘りの強い重合物が出てくる。そこに梅干しを入れると、梅干しの強い酸が重合物を分解して、揮発性の成分にしたり、梅干し自体が不純物を吸着するとかいわれているが、その効能は過信しないほうがよいと思われる。

 

 

土用の蛸は親にも食わすな

 土用の頃のたこは味がよく、あまり食べすぎると消化によくない。また腐敗しても判別がつきにくいため気をつけなければならない。

 

 

梨は病人の見舞いに使うものではない

 梨は「無し」と同音であり、重病人には響きの悪いものである。梨を「無し」にかけて、「ありの実」といいかえる忌み言葉もある。

 

 

 

冷酒と親の意見は後薬

 親からの意見や忠告は、最初は受け入れ難いこともあるかもしれませんが、後で役立つことがあります。冷酒と同様に、最初は冷たく感じられるかもしれませんが、後でその価値がわかるという意味が込められています。

 

 

 

水は三尺流れれば清くなる

 水は流れていれば清くなるということである。流れている水は空気にさらされて、空気中の酸素が水に溶け、酸素に弱い有害菌が死滅し、拡散によって有害物が薄められる。また、流れているため水温が上がらず、それだけ細菌の繁殖も少なくなり、停滞水よりも清くなるといえる。しかし、場所と程度により、その清さは違う。

 

 

名物にうまい物なし

 名物とされるものが必ずしも良いとは限らず、実際には味や品質が期待に反して劣ることもあります。観光地などでは宣伝や期待に左右されて高く評価されることもありますが、その実態はそうではない場合もあります。したがって、名物であっても実際に試してみてその価値を判断することが重要です。

 

 

目が物食う

 食欲は味だけでなく、見た目がよいとわいてくるものである。ことに和食は、色どりや盛りつけを重要視する傾向が強いようである。美しい配置や豊かな色彩が食事をより楽しいものにします。

彩りのあるお寿司

 

山葵は摺ると思うな練ると思え

 ワサビの香りをより引き出すには、「摺る」という意識ではなく、「練る」という意識をもつ。それによってワサビ本来の魅力を最大限に引き出すことができます。

ワサビは練る意識でおろす

 

餅は乞食に焼かせ、魚は大名に焼かせろ

 餅はほんのりと焦げる程度にふっくらと焼くのがおいしい焼き方だが、つきっきりで常にひっくり返して、上、下、側面を焼くようにしなければならないので、大名のようにおうように構えていてはうまく焼けない。一方、魚はおもむろに火の通るのを待って焼くのがよいので大名に焼かせればよいというのである。ところが「餅は大名に焼かせ、豆は乞食にいらせよ」ということがいわれている。これは、餅を焼くときより、豆をいるときのほうがさらに忙しくかきまぜなければならないからである。

 

 

まとめ

 食材とその恵みを称える言葉たちは、私たちに様々な教えを伝えてきました。このシリーズを通じて、食と言葉が織りなす叡智の奥深さを垣間見ることができました。これらの言葉は、私たちの日常に寄り添い、季節の移ろいと共に新たな意味を生み出します。食と言葉の関わりを大切にし、古くから伝わる知恵を心に留めながら、これからも新たな発見と喜びを追求していきたいと思います。

 

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