おばあちゃんの知恵 役立つ暮らしの辞典

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裁縫の知恵 : おばあちゃんからの教え

 衣類にかんするおばあちゃんの知恵をお届けします。今回は特に、裁縫についての話題に焦点を当ててご紹介します。おばあちゃんは長年にわたって裁縫を行ってきた経験から、簡単な修繕からハンドメイドのアイテム作りまで、様々な裁縫に対する知恵を知っています。その知恵を通じて、衣類を大切にし、長く使えるようにする方法や、裁縫を楽しむためのアイデアなどをお伝えしていきます。

 

 

縫い残しの糸は、雑巾用の布に刺しついでいく。

 ちょっとした繕いものをすると、必ず糸が少し残るものです。一度一度は大したこともありませんが、たまると意外な量になります。昔は、今のように物が豊富でなかっただけに、物の寿命をひじょうにたいせつにしたのでしょう。また、そこから、余り物を創造的に利用する楽しみも生まれました。たとえば、雑巾ですが、これはいくつあってもありすぎるということはありません。かといって、あらためて縫うと、なかなか厄介ですから、ふだんからタオル地などを扇たたみに4つ折りして、裁縫箱に入れておくとよいでしょうそこに、縫い物をして余った糸を、そのたび、刺していくのです。刺しつぎした雑巾は、刺しつぎしていないものよりしっかりしていますし、また色とりどりの糸で楽しいものとなります。

 

 

ガーゼ地や薄布は、新聞紙を重ねると裁ちやすい。

 赤ちゃん用のガーゼ地の下着を作るときや、表面のすべすべした布地を切るとき、とくに何枚も重ねて裁断しようとするときなど、滑ったり、曲がったり、ハサミの刃にはさまったりして、なかなか切りにくいものです。

 このようなときは、新聞紙などの薄紙を間にはさんで、その紙もろともゆっくり切っていくと、きれいに裁断できます。

 

 

ボタンをつけるときは、布と直角に針を入れるととれにくい。

 ボタンひとつ満足につけられない人は多いと思われます。もしもの時にボタンのつけ方を知っていれば便利です。

 ボタンつけの秘訣は、針を直角にさし込むこと。針を斜めに入れると、どうしても布と糸がつれて、とれやすくなってしまうばかりか、見た目も、見苦しいものになってしまうのです。

 さらに、糸は2本どりにするとか、布の厚み分だけすくうとかといった注意も必要です。また針を2~3回穴へ通したら、糸足に糸をまきつけると、いっそう取れにくくなります。留めは巻いた糸の中へ針を通してから2~3回ゆききさせ、はじめの糸としっかりむずび合わせ、布の間をくぐらせて、糸端を切ります。

 

 

厚い布、糊気の強い布は、縫いすじにロウを引くと縫いやすい。

 コートやカーテンなど厚地の布や、糊気の強い布にミシンかけするとき、針が通りにくくて苦労します。力まかせに針を通そうとしたり、ミシンを踏む足に力を入れたりすると、針が折れたり、そうでなくとも、縫い目がきたなくなったりします。このようなときは、あらかじめ縫いすじにあたるところにロウですじを引き、その上から縫うようにすると、針も通りやすく、縫い目もまっすぐに、きれいに仕上がります。

 

 

毛糸をつなぐには、糸端をほぐしてよじり合わせる。

 編み物をしていて、途中で毛糸が切れたり、足りなくなったりすることがあります。このようなとき、大きな結び目を作ってつないだのでは、見た目が悪くなってしまいます。そこで、ちょっと編み物上手のおばあちゃんのつなぎ方を見てみましょう。おばあちゃんの方法は、切れた毛糸の先端をほぐし、太さを半分ぐらいにして、よじり合わせるのです。こうすると、古い切れ切れの毛糸でも、どちらが表か裏か見分けられないほど、きれいに仕上げることができます。衣類の繕いでも、この方法を応用して布地とあて布の糸端を交互に差し込めば、つぎ目もわからないほどきれいなつぎはぎができます。



古くなった毛糸はカセにして蒸すと、ふっくらする。

 型の古くなったセーターを、子どものベストや手袋に編みなおしたりするのは、昔も今も変わらない母親の楽しみです。しかし、このほどいた毛糸をそのまま使っている方はいないでしょうか。母親の時代では、ほどいた毛糸をかならず一度湯気に当てていました。こうすると買いたてのようにふっくらするのです。

 昔ならやかんの蒸気でしたが、今は、ご飯を蒸すのと同じようにして蒸せば、セーター一枚分ぐらい一度にふっくらと蒸すことができます。

 毛糸を蒸器に入れる際、からみあわないように、必ず板切れか30センチくらいのボール箱にまきとり、カセにしておきます。また、あとさきの糸口は、互いに結びあわせ、白い丈夫な木綿糸で、カセの一、二か所を軽くくくります。

 蒸気による湿りを除くには、そのまま乾かしてもよいでしょうが、できれば、カセの輪に両手を入れ、軽くピンピンと左右に引っ張って糸をのばし、カセの輪に2本の丸竹を通して、上下に張ったまましばらく日陰干しをしてください。新品のように仕上がります。

 

まとめ

 このブログでは、衣類に関するおばあちゃんの知恵をお届けしました。今回は特に、裁縫に焦点を当ててご紹介しました。おばあちゃんは長年にわたって裁縫を行ってきた経験から、修繕からハンドメイドまで幅広い裁縫に関する知恵を持っています。衣類を大切にし、長く使えるようにする方法や、裁縫を楽しむためのアイデアをお伝えしました。衣類の世界をより豊かにするための知恵を活かし、楽しい裁縫ライフを送りましょう。

 

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